◆第6回口頭弁論(9月25日東京地裁)

 

復刻版『全国部落調査』裁判の、第6回口頭弁論が、9月25日(月)午後2時より、東京地裁(民事部)、103号法廷で行われました。開始前から100人近い傍聴希望者が集まりました。

終了後、日比谷図書館で報告集会が行われ、弁護団からの説明がありました。ネット技術に関わる問題点は、アナログなわたしにはとても難しいのですが、支援者つばめおばさんとしては何としてでも理解したいところです。

「同和地区. みんな」ドメインの管理をしているのは被告なので、そのドメイン上に置かれた「同和地区Wiki」にも、管理者としての責任があること、その内容が他人の名誉を傷つけるようなものであるなら削除義務があること、しかも、身元を隠した投稿が可能なTor(トーア;接続経路を匿名化できるソフト)を使った編集を呼びかけていることの「危険性」などを学びました。

 

また「同和地区Wiki」上の「部落解放同盟関係人物一覧」(名簿)は、2016年の4月はじめと、5月終わりの間に大きく修正されています(住所のみが訂正されたり、新たに名前・住所とも書き加えられたケースもあります)。被告は、自分が「一覧」の作成者ではないと主張していますが、これらの修正は、訴状が被告の手元に届いたタイミングで行われていることや、その間に裁判所で訴状の閲覧をした人がいなかった(閲覧制限もかかっています)ことから、「部落解放同盟関係者人物一覧」に変更を加えることができたのは、被告や被告から情報を得た人だと考えられます。

 

ところで、今日わたしたちが傍聴にいった、民事訴訟裁判(本訴)以外に、この件では、

①「出版禁止の仮処分」

②「ウエブ削除の仮処分」に関る異議審・抗告審が並行して進められてきました。

本訴には時間がかかるので、その間、「全国部落調査」が出版されてしまったり、ウエブ上にさらされ続けないように、先に仮処分が行われました。仮処分も、三審制になっているので、不服があれば、異議審、抗告審へ…と進みます。

 

また、③被告の「マンション・自動車仮差押え」は、異議審の決定が今年7月に出ています(現在は、抗告審の審理中)。この異議審の決定では、「同和地区Wikiに対する宮部の、管理者としての責任」と、同和地区所在地をさらすことが被告らの意図に関わらず「差別意識を生み出し、継続させることを助長する結果になることが明らか」だと指摘しています。

(2017/10/2 つばめおばさん)